任意後見契約
成年後見制度とは
認知症、知的障害、精神障害などの理由で、ひとりで決めることが心配な方々は、財産管理(不動産や預貯金などの管理、遺産分割協議などの相続手続など)や身上保護(介護・福祉サービスの利用契約や施設入所・入院の契約締結、履行状況の確認など)などの法律行為をひとりで行うのが難しい場合があります。
また、自分に不利益な契約であることがよくわからないままに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。
このような、ひとりで決めることに不安のある方々を法的に保護し、ご本人の意思を尊重した支援(意思決定支援)を行い、共に考えていく。それが成年後見制度です。
成年後見制度には、すでに判断能力が低下している場合に利用する「法定後見制度」と判断能力があるうちに将来に備えて契約を結んでおく「任意後見制度」の二つの仕組みがあります。
任意後見契約
ひとりで決められるうちに、認知症や障がいがある場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。任意後見契約は、公証人の作成する公正証書によって結ぶものとされています。
公正証書とは??
国の機関である公証人が、厳格な手続きを踏まえて作成した公文書です。公正証書は有力な証拠があるもので、公証人が、厳格な手続きを踏まえて作成した公文書です。公正証書は有力な証拠があるものなので内容の適法性、有効性が公証人によって確保されています。公証人は公証役場にいます。
任意後見人になる人
任意後見人になるための資格要件はありません。委任者が自ら選ぶことができます。しかし、未成年や破産者等を選ぶことはできません。
任意後見人や任意後見監督人への報酬
本人と任意後見人を引き受けた者との間で話合い、任意後見契約で報酬額を定めます。
任意後見監督人への報酬は、家庭裁判所の裁量により報酬額が決定します。東京家庭裁判所のめやすによると、管理財産額が5000万円以下では、年額20万円程度とされています。